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コクシネル COCKC'NELL  <LIVE IN TOKYO 2004>

出演: 野方攝 vocal, guitar
    池田洋一郎 guitar, laptop
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    石渡明廣 guitar, drums
    早川岳晴 bass
    中山努 keyboards
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    宍戸幸司 guitar
    山際英樹 guitar
    近藤達郎 keyboards
    ...and more?
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    アズビー・ブラウン VJ


2004年3月23日(火)18:30開場/19:30開演
at 吉祥寺 Star Pine's Cafe tel. 0422-23-2251
 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16
 http://www.mandala.gr.jp/

料金:前売/予約¥3,500、当日¥4,000(各ドリンク代別)
※前売券は2月6日よりStar Pine's Cafe (tel. 0422-23-2251) にて発売します。
※ご予約をご希望の方は、お名前/人数/お電話番号と「3/23予約」と明記の上、
 Eメール(info@callithump.info)または
 ファクス(03-3316-7326)をご送信下さい。
※ご予約の方のチケットの引換えは当日の開場30分前から会場入口にて行います。
 料金のお支払いはその際にお願いします。
※入場は、前売券をお持ちの方→ご予約の方→当日券の方の順で、開場時にそれ
 ぞれの整理番号順(先着順) にお並びいただきご入場いただきます。全席自由 席
 ですので、なるべく早めにお越しになることをお薦めします。

企画/制作/問い合わせ:キャロサンプ
 tel. 03-3316-7376
 fax. 03-3316-7326
 e-mail: info@callithump.info

協力:いぬん堂


フライヤー

<コクシネル LIVE IN TOKYO 2004>によせて

 日本のパンク/ニュー・ウェイヴのムーヴメントにはやや乗り遅れた感のあるリスナーであった私にとっても、'80年代は特別な時代であったと言えるだろう。とりわけコクシネルと出会ったということにおいて、その重要性はひとしおである。
 きっかけは深夜に転がり込んだ友人宅で偶然観た『天国注射の昼』のライヴ・ヴィデオだった。それは、'83年に日比谷野外音楽堂で催された同名のコンサートの記録を抜粋収録したもので、じゃがたらや突然段ボール、町田町蔵(現・町田康)やガーゼ等のひと癖もふた癖もある出演者達に混ざって、コクシネルもそこにあった。全編を通しておそらく最も地味で、かつ淡々とした演奏をしていた彼らがいちばん強く印象に残ったのはなぜだったのか? シンプルなながらも透徹したその演奏と女性ヴォーカリストの印象的な存在感、そして彼らが醸し出す独特な空気の故だったと今なら言葉にもできるが、その時は理由もわからないまま、ただ妙に心に引っかかっていた。その直後に別の友人宅で、ピナコテカ・レコードからリリースされていた彼らの4曲入りライヴ盤を見つけ、早速カセットにダビングしてもらって、その耳を惹いてやまない不思議な響きを何度も何度も繰り返し聴くうちに、コクシネルの音楽は私にとってのロックのひとつの理想型となっていった。
 しかし、そうして私がコクシネルの音楽を聴くようになった頃には、彼らはその拠点を既に東京から金沢に移した後であった。それでも時々上京して活動はしていたので何度かライヴに足を運んだこともあったし、オムニバス参加やスタジオ盤で新作を聴くこともできたが。'90年代に入るとすっかりその噂を聞かなくなってしまった。

 コクシネルは元・めんたんぴんのギタリスト:池田洋一郎と、バンド経験はこれが初めてというヴォーカルの野方攝、そして工藤冬里と今井次郎の4人をメンバーに、吉祥寺にあったマイナーという店で'80年に産声を上げた。池田と野方の二人以外はライヴの度にメンバーが流動的に入れ替わり、初期の頃は決まった歌詞とメロディのある野方の歌を軸に、毎回フリーキーでノイジーなインプロヴィゼーションを繰り広げていたらしいが、前述の4曲入りライヴ盤('81年4月収録)の頃には独自の端整なスタイルをすでに確立していた。金沢に拠点を移した後の'87年に発表された唯一のアルバム『少年の木』では、サンプリングやリズム・プログラミング、MIDIピアノ等の当時まだ目新しかったテクノロジーを導入して、入念なスタジオ・ワークとかねてよりの即興的テイストとのマリアージュに成功しており、ライヴには若手のミュージシャンも積極的に起用する等、時代の変遷とともに変化をしながらもコクシネルは、ロック・バンドとして独自の世界を'80年代を通して常に提示し続けてきた。

 '02年の2月に『ロック画報』の依頼で金沢に赴き池田と野方の二人にインタヴューをする機会があり、コクシネル結成当初から現在に至るまでの詳しい話を聞くことができた。そして、人前に立つ機会こそ極端に減ったもののコクシネルはずっと活動を継続していることを知った。その2ヶ月後に東京で観た数年ぶりのライヴでは、池田と野方はラップ・トップの前に座り、アメリカ人VJをフューチャーし、バンド演奏とは趣をまったく異にするコンピューター・テクノロジーを駆使したステージを披露した。それはライヴ演奏における技術的な方法論やサウンド面でこそ換骨奪胎されていたが、やはりコクシネルとしか呼びようのない独特のロック的グルーヴをしっかりと根底に感じさせ、野方攝の歌もその切れ味を少しも失ってはいなかった。

 今回の企画は20年以上の活動歴を持つコクシネルにとって初のワンマン・コンサートであり、古くからの縁りのミュージシャンをゲストに招いて、近年のコンピューターによるベーシックと旧来のバンド形態による演奏の融合を本格的に試みる。常にプロトタイプたらんとする意志に貫かれ自己変革を繰り返してきたコクシネルが、二十数年前に最初の一音を発したマイナーの跡地からほど近い場所で、その歴史の変遷を俯瞰しながらまた新たな形態を獲得するだろう瞬間を目撃することは、昔からのファンにとっても当時を知らない新しいリスナーにとっても、とても素敵で重要な出来事になるだろう。
                   キャロサンプ/野田茂則(文中敬称略)